長期血液透析患者における副甲状腺摘出術 (PTX) 前後におけるrHuEpo治療効果の検討

1993 
二次性副甲状腺機能亢進症を伴ったHD患者2例において, 副甲状腺摘除術 (PTX) により, 造血能を抑制する可能性のあるPTHを除去し, rHuEpo製剤に対する反応性を貧血の改善度としてPTX前後7か月にて検討した.両症例とも14か月間のHt値の動きはPTX前・PTX直後・PTX後の三つの要素に分離でき, PTX直後の期間はそれぞれ症例1では48日間, 症例2では30日間認められた. 症例1のΔHt値 (%)/100日はPTX前とPTX直後およびPTX後でそれぞれ+0.48749%/100日・-5.7616%/1日・+3.0336%/100日 (p<0.05 vs PTX前値) で, 症例2ではそれぞれ-3.5979%/100日・-0.87500%/100日・+2.0431%/100日 (p<0.02 vs PTX前値) とPTX後が最も高値であった.各時期におけるΔHt値/rHuEpo (%/1,000IU) はPTX前の値に比してPTX後の時期で明らかに高値であり, その差はそれぞれ症例1では+5.3716%/1,000IUで, 症例2では+12.07375%/1,000IUであった. なお, 両症例とも鉄欠乏状態は存在せず鉄代謝の影響は除外できた.今回rHuEpo製剤を投与し, 血中Epo濃度が高値である環境を作製したことにより, PTHと造血の関係を明確にすることができた. 以上より, 極めて高値のPTHは充分量なEpoの存在下において造血能を阻害することが明らかとなった. しかし, 効果出現までに1-1.5か月のTime lagが存在した.
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