A CASE OF MATURE OVARIAN CYSTIC TERATOMA WITH INGUINAL ABDOMINAL FISTULA

2007 
症例は81歳, 女性. 以前より無痛性の下腹部腫瘤, 頻尿を認めていた. 今回, 右鼠径部の2カ所に生じた瘻孔から毛髪と油が混ざった黄色の排液が流出したため当院を受診した. 精査を行い, 直径9×8cmの卵巣成熟嚢胞性奇形腫と腫瘍の穿孔に伴う鼠径部皮膚瘻と診断, 手術を施行した. 腫瘍は右卵巣原発であり, 骨盤腔の右側から背側にかけて炎症性に強固に癒着していた. 2カ所の瘻孔のうち, 外側の瘻孔は外腹斜筋腱膜を貫通し, 内鼠径輪を通って腫瘤内へと, また恥骨外側の瘻孔は外鼠径輪付近より前者とは別の瘻孔を通って腫瘤内へと交通していた. 右卵巣切除ならびに瘻孔切除, Bassini法による右鼠径部の補強を行った. なお病理所見で悪性を示唆する所見はいずれの部位でも認めなかった. 術後, 主訴は消失した. 体表に瘻孔を作って穿通した卵巣成熟嚢胞性奇形腫の報告はわれわれの調べる限り見当たらず, 自検例が初であると思われた.
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