Two Cases of Esogageal-Cutaneous Fistula after Anterior Fusion of the Cervical Spine.
1997
数回の頸椎前方固定術後, 食道皮膚瘻を形成し, 治療に難渋した2症例を提示し, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例1は35歳の女性. 4回の頸椎手術後, 約2か月頃より, 食道皮膚瘻発生し, 食道縫合閉鎖と胸骨舌骨筋による被覆を行い, 術後6週間目より経口摂取可能となった. 症例2は49歳の男性. 3回の頸椎手術の後, 食道皮膚瘻発生し, 単純縫合閉鎖を試みたが, 瘻孔閉鎖遷延したため, フィブリン糊を注入したところ瘻孔は閉鎖し, 経口可能となった. フィブリン糊の使用は創部感染が軽度ならば試みられても良いものと思われた. しかし, この疾患は食道の単純閉鎖だけでは治癒が遷延するものと思われ, 筋組織などによる被覆が肝要と考えられた. 今まではこのような症例は整形外科と外科の狭間に置かれ, 報告例は少ないが (7例), 今後, 整形外科領域における頸椎手術の拡大とともに, 増加するものと思われる.
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