Ancient agricultural land-use inferred from pollen and seed analysis at the Nagahara NG02-8 site, Osaka, western Japan

2010 
大阪市長原遺跡NG02-8次調査地点で検出された奈良時代の畠状遺構の耕地利用を検討するために,花粉・種実分析を行い,さらに近接の長原遺跡NG03-5次調査地点と瓜破遺跡UR00-8次調査地点の畠状遺構の分析結果の比較を行った.長原遺跡NG02-8次調査地点では,湿潤環境を示す分類群が卓越しており,イネの炭化種子が産出し,イネ属花粉の産出率が高いことから,遺構では水稲耕作が行われた可能性が高い.比較地点の長原遺跡NG03-5次調査地点では,乾燥環境のもとで陸稲が栽培された可能性があり,瓜破遺跡UR00-8次調査地点では,湿潤環境のもとで水稲耕作が行われたと推定した.これらの結果は,遺構における乾湿環境の違いをはじめ,遺跡の立地条件や遺構の形態の違いからも,それぞれ耕地利用の目的が異なっていた可能性があり,畠状遺構が必ずしも畠作を目的としたものとはいえないことを示している.
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