盲腸癌術後の異時性肝・肺・膵転移巣を切除し長期生存が得られた1例

2006 
大腸癌の膵転移例は予後不良とされ, 切除例はいまだまれである. 膵転移を含む4回の転移再発を繰り返したが, その都度, 転移巣を完全切除することにより長期生存が得られた盲腸癌術後再発例を経験した. 症例は65歳の男性で, stage IIIb盲腸癌の根治切除術後6か月目に肝転移巣 (S5S6) が出現, 肝部分切除術を施行した. 術後2年目には右肺上葉の転移巣に対し葉切除術を施行. 術後2年10か月目に膵尾部の腫瘤性病変が出現した. 膵体尾部切除術を施行し, 病理診断は盲腸癌の膵転移であった. さらに, 術後3年8か月目には左肺上葉と下葉に転移を生じ, これらも胸腔鏡補助下に切除した. 原発巣切除後6年6か月, 初回転移巣切除術から6年が経過したが, 新たな再発を認めず健在である. 膵転移も含め多発転移を有する症例に対しても, 積極的切除を行うことにより良好な予後が得られる可能性が示唆された.
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