リジン補足の栄養効果 (第2報):血液および肝臓の遊離アミノ酸に及ぼす影響

1966 
魚粉を5%配合した基本飼料にL-リジン塩酸塩 (L) を0.2あるいは0.5%補足した場合, ヒナの成長, 飼料効率, タンパク効率を測定し, 最後に血液および肝臓の遊離アミノ酸に及ぼす影響について研究し考察を行なった。基本飼料のアミノ酸組成からはMet. が制限アミノ酸であるにもかかわらず, L0. 2%の補足はヒナの成長を対照区に比べて約20%増大し, 飼料効率およびタンパク効率も同様に増大することを認めた。L0. 5%の補足効果は0.2%の場合のように顕著ではなかったが, 成長, 飼料効率およびタンパク効率いずれも対照に比べて約10%増大することが認められた。血液の遊離Lys. はLの補足により増大し, Thr., Phe., Val. も増大の傾向にあることが認められた。Met. はほとんど認められず, したがってその変化も明らかではなかった。しかしCys., Try., Tyr., Leu. +Ileu., His., Gly., Asp., Ser. などは僅かに減少することが認められ, 全体的に減少しているものが多かった。しかしその差は明らかなものではなかった。肝臓中の遊離Lys. は血液のようなLの補足による増大は認められなかった。Met. は血液におけると同様に認められなかった。Thr. を始めPhe., Cys., Tyr., Leu. +Ileu., His., Asp., Ser. などいずれもLの補足により減少し, Try., Arg., Ala. は増大し, Val. とGly. は増減が明らかではなかった。対照区の肝臓遊離アミノ酸を100としてそれぞれのアミノ酸の増減をあらわして, 平均するとL補足により遊離アミノ酸量は減少し, その減少の度合はL補足による成長促進効果とほぼ平行していることが認められた。
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