Morphological identification and ecology of the red jungle fowl in Nepal.

1992 
1986年,1988年および1989年の第一,二,三次ネパール在来家畜調査において,赤色野鶏の亜種の形態学的同定と生態学的調査を行なった.タライ地方で雄6,雌5個体を収集し,そのうちの成体雄4,雌4個体について生体計測を行ない,また雄1と雌2個体を剥製標本にし,詳細な形態学的研究を行なった.生態的聞きとり調査は16地点で行ない,タライとシワリク丘陵地域の4地点で野鶏の観察を行なった.ネパールとタイの赤色野鶏の剥製標本を比較し,両者の羽色と羽装の相違に基づき,ネパールの野鶏の亜種をGallus gallus murghiと同定した.7計測部位を用いて多変量解析を行ない,ネパールの赤色野鶏の大きさと形はインドネシアのGallus gallus murghiに類似し,タイのGallus gallus gallusおよびジャワのGallus gallus bankivaより大きいことを明らかにした.生態的調査によって,タライ地域では国立公園や保護区以外の地域にも,かなり大きい赤色野鶏の集団が生息していると推定された.成体の雄3と雌2個体が,退縮した生殖腺をもつことを剖検によって確認し,繁殖季節の存在を証明した.また繁殖季節には地理的あるいは気象的な地域差があるものと考えられる.在来鶏と赤色野鶏との交雑の可能性が示され,ネパールの赤色野鶏の産卵数は,他の東南アジアの野鶏のそれとほとんど同じであることが明らかにされた.
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