切除不能胃癌に対してTS-1+CDDP 療法により切除可能となった2例

2006 
症例1:30歳, 男性。食欲不振, 吐血を認め精査にてスキルス胃癌と診断。腹腔鏡下生検を施行しGroup V であり, T3N3P1H0M1, Stage IV の術前診断であった。TS-1+CDDP 療法による術前化学療法(NAC)を3クール施行。内視鏡検査および画像検査にて著明な腫瘍縮小効果を認め, 胃全摘術, 小腸切除, 胆嚢摘出術施行。病理所見ではtype4, por2, pT3(ss), ly1, v0, pN0, pM1(胆嚢, 小腸), pStage IV であった。症例2:55歳, 男性。心窩部痛を認め精査にてスキルス胃癌と診断。T3N1P1H0M0, Stage IIIA の術前診断であった。手術施行するも切除不能にて胃空腸吻合施行。TS-1+CDDPを3クール施行。内視鏡検査および画像検査にて著明な腫瘍縮小効果を認め, 幽門側胃切除を施行。病理所見ではtype4, por2, pT3(ss), ly2, v1, pN1, p1, pStage IV であった。切除不能胃癌の予後は不良であり, 確立した治療指針はないが, TS-1+CDDP 療法により手術可能になる症例もあり, 延命効果も期待され有用な治療法と考えられた。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []