経鼻持続陽圧(nCPAP)療法施行上の留意点
2003
経鼻持続陽圧呼吸療法(nCPAP)は,睡眠時無呼吸症候群の第1選択治療となっている。岩手医大第3内科では,患者のnCPAP療法継続に関与する因子を検討するため,nCPAP導入済みの患者に質問紙法による調査を実施した。調査の結果,大多数の患者がその効果には満足しており,日常的な問題をいかに解決すべきかに悩むことが判明した。使用継続率は患者のアドヒーランスを反映し,個人ごとに使用のパターンは4型に分類され導入後ほとんど変化しないが,間欠的に使用している患者では指導により連続使用が可能になる場合が多いため,これらのパターンを認識するためには客観的データが得られるメモリー内蔵型のnCPAPが有用である。また,うつ的な気分を有することが多い患者の心理状態に配慮する必要がある。咽頭形成術を施行した後に無呼吸が残存し,しかも術後にnCPAPの使用が困難になる例が存在するため,nCPAP使用困難を理由に外科療法を選択する前には,療養指導が十分かどうかnCPAPの使用状態に関する客観的な評価が必要である。
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