Importance of HbA1c to Detect Diabetes Mellitus in Health Examination

2008 
平成20年度から特定健診・特定保健指導 (以下, 新健診) が開始される。検査項目のうち血糖検査項目として, (1) 空腹時血糖 (FBS) またはHbA1cのいずれかを選択してよいこと, (2) 両項目を検査した場合はFBSを採用するとされた。平成18年度の当協会における成績を用いて, この方針の糖尿病の捕捉に及ぼす影響について検討した。糖尿病治療中のものを除き, FBSとHbA1c共に実施した受診者について, FBS 126mg/dl以上, および/またはHbA1c6.1%以上の受診者に対して, 医療機関の受診を勧奨するコメントを含めた結果報告書に加えて医療機関への紹介状 (以下, 紹介状) を発行した。紹介状が発行された410名のうち, 検査結果等が返送された235名 (回収率57.3%) を対象として検討した。FBS126mg/dl以上で紹介状が発行されたもののうち86名 (79.6%) が, HbA1c6.1%以上で紹介状が発行されたもののうち172名 (83.1%) が糖尿病と診断され, 糖尿病の捕捉率には両検査項目間に有意差を認めなかった。235名の内訳はFBSのみ基準を満たすもの (FBS群) 28名, HbA1cのみ基準を満たすもの (HbA1c群) 127名, FBSおよびHbA1cの両者共に基準を満たすもの (FBS+HbA1c群) 80名であった。糖尿病と診断されたものは183名で, FBS群中の11名 (39.3%) , HbA1c群中の97名 (76.4%) , FBS+HbA1c群中の75名 (93.7%) であった。HbA1c群の糖尿病捕捉率 (76.4%) はFBS群のそれ (39.3%) に比して有意に高かった (p<0.005) 。FBS+HbA1c群の糖尿病捕捉率 (93.7%) はFBS群, HbA1c群のいずれに比しても有意に高かった (いずれもp<0.005) 。HbA1cの検査を行わない場合は約53%の糖尿病を捕捉できなかった。FBS, HbA1cの両項目の採用は費用対効果の面からも悪くないと考えられた。今回の結果は, 新健診における血糖検査項目としてFBSおよびHbA1cの両項目ともに採用され, かつ結果を公平に評価することが望ましいことを示す。
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