A Case of Fibrosarcoma of the Greater Omentum

2011 
症例は74歳の男性で,数日前に突然右下腹部痛が出現し近医を受診後,当院に紹介となった.初診時,腹部は全体に膨隆しており,反跳痛を認めた.腹部CTで腹腔内中央部に辺縁が不均一に造影され内部が低濃度な300mm大の腫瘤,最大径40mm大の多発肝病巣,腹腔内に散在する小結節を認めた.以上より,多発肝転移・腹膜播種を伴う腹腔内腫瘍の切迫破裂と診断し開腹手術を施行した.主病変は小児頭大で幽門下部の大網付着部に基部を有する腫瘍および複数の小播種結節を認めた.主病変および周囲の粗大播種結節を切除した.主病変は300×280×80mm大で,重量は2,413gであった.病理組織学的に高悪性度大網原発線維肉腫と診断された.退院後,化学療法としてドキソルビシンを使用したが,術後7か月目に死亡した.大網に発生したきわめてまれな線維肉腫の1例を経験した.
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