維持透析患者に進行胃癌が合併しTS-1 治療を施行した1 症例−治療薬物血中濃度モニタリング(TDM )による投与用量・用法の検討−

2005 
慢性腎不全を合併し,胃癌術後に腹膜再発を認めた患者にTS-1 投与時の5-FU およびギメラシル(CDHP )濃度の血中モニタリング(TDM )を行うことにより,本患者に適したTS-1 の投与量を推定し治療投与を行った。まず初めに,基準投与量の50 %または40 %に相当するTS-1 50mg, 40mg を隔日の透析直後にそれぞれ1 回(計2 回)経口投与しTDM を実施した。TS-1 50mg, 40mg 初回投与時の血中5-FU PK パラメータを腎機能正常癌患者と比較検討した結果,40mg 投与時のAUC が腎機能正常癌患者の安全投与量である100mg/回/日投与時と同等の値を示したことから,本症例におけるTS-1 の至適投与量を40mg ×1 回/日とし,反復投与時における5-FU およびCDHP の蓄積性がないことを確認の上,TS-1 治療を施行した。治療計画としては,TS-1 投与量を40mg ×1 回/日で11 回透析直後に隔日投与し,その後1 回休薬する投与スケジュールを1 コースとして外来治療を施行したところ骨髄抑制などの重篤な有害事象もなく安全に治療を継続することができた。
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