副甲状腺癌を合併していた短期 (5か月) 透析患者の1例

1993 
短期 (5か月) 血液透析患者に合併した原発性副甲状腺機能亢進症のため副甲状腺摘除を施行した副甲状腺癌の1例を報告した. 49歳, 女性, 1989年春, 全身の骨関節痛発症. 1991年5月, 慢性腎炎由来の腎不全のため血液透析導入. 当時, すでにAl-P, PTH高値で原発性副甲状腺機能亢進症が疑われ, CTとscintigraphyにて右下腺の腫大が認められた. 術前検査ではIntact-PTH 1,199pg/ml (normal range: 15-50pg/ml), C-PTH 34.2ng/ml (normal range: below 0.5ng/ml), Al-P 443IU/lと高く, Intact-PTHは血液透析による高Ca血症 (s-Ca 12.7mg/dl) でも抑制されなかった (Intact-PTH 810→800pg/ml). 右下腺は5.6gで, 組織学的には多核小体を有する核の大きな細胞と, 線維性索状構造を呈する副甲状腺癌であった. 術後PTHは急速に下降し自他覚所見は改善した.
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