十二指腸分節切除+Roux-en-Y再建術後に吻合部通過障害をきたした十二指腸GISTの1例

2011 
症例は80歳,男性.検診の腹部超音波検査で右上腹部の腫瘤を指摘された.腹部CTで,膵頭部に6×3×3cmの充実性腫瘤を認め,上部消化管の精査で十二指腸水平脚の粘膜下腫瘍と診断された.手術では腫瘤を含めて約5cmの十二指腸を分節切除した後,空腸脚を後結腸経由で挙上し,十二指腸下降脚と空腸の側々吻合を行い,Roux-en-Y型の消化管再建とした.病理組織学的には,NIH分類で中リスクのGIST(gastrointestinal stromal tumor)と診断された.術後,一過性の膵炎に続いて,吻合部の通過障害をきたした.長期間経鼻胃管の挿入による保存的治療にて改善しなかったものの,経静脈ステロイドの短期間投与によって速やかに改善した.十二指腸原発のGIST対しては,部位と大きさによって様々な術式が報告されているが,十二指腸分節切除+Roux-en-Y型の消化管再建術も術式の選択肢に加えられるべきものと思われた.
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