Behavioral effects of quinupramine, a new tricyclic antidepressant
1988
新しい三環系抗うつ薬である quinupramine〔QNP:5-(3-quinuclidiny1)-10,11-dihydro-5H-dibenz〔b,f〕azepine〕の行動薬理学的特性をマウス,ラットを用いてimipramine(IMP),amitriptyline(AMT)およびmaprotilineのそれと比較検討した.QNPはhaloperidol catalepsyおよびtetrabenazine ptosisに拮抗し,methamphetamineやapomorphineで誘発される常同行動を増強した.これらの作用はいずれもIMP,AMTに比べて同等かあるいはより強力であった.また,QNPはマウスの自発運動量を減少させたが,methamphetamineの自発運動亢進作用に対してはIMPおよびAMTよりも強い増強効果を示した.一方,QNPは側坐核破壊ラットのmuricideを抑制したが,嗅球摘出ラットおよび中脳縫線核破壊ラットのmuricideに対しては著明な抑制作用を示さなかった.しかし,強制水泳によるラットの無動状態の持続時間を自発運動に影響を与えない用量から著明に短縮し,その作用はIMP,AMTと同等で,maprotilineより強かった.また,QNPはphysostigmine致死に拮抗し,oxotremorine振戦を抑制する事から,中枢性抗コリン作用を有することが示唆された.条件回避反応に対しては,QNPはIMPやAMTと同様認むべき作用がなかった.以上,QNPは全般的には従来の三環系抗うつ薬と同様な抗うつ薬としての行動薬理学的作用を示すが,中枢性抗コリン作用が強く抗muricide作用が弱い点でIMPやAMTとは若干異なった薬理作用プロフィールを有することがわかった.
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