Induction of infectious diarrhoea in newborn calves fed dysplasia colostrum of mother cows suffering from mastitis during dry period.

2000 
母牛の初乳で直接哺育した子牛のうち17頭の子牛で,出生後のごく早期に,主に病原性大腸菌K99によるものと思われる感染性下痢症が発症したが,その母牛は全例,乾乳期に乳房炎の罹患歴を持つ母牛であった.一方,対照とした健康子牛12頭の母牛は,いずれも乳房炎罹患歴を持たないものであった.それら,健康子牛と下痢症発症子牛それぞれについて,血清中の総タンパク,IgG, Alb量を測定し,さらに,病原性大腸菌(E. coli K99)とSalmonella Typhymuriumそしてロタウイルス(血清型6型および10型)に対する移行抗体価を測定した.その結果,いずれも,下痢発症子牛で著しい低値を示した.一方,炎症性タンパクであるα1酸性糖タンパク(α1AG)量が高値を示していた.また,別途,乳房炎罹患牛と健康牛の両群を設定して,初乳中のSCC, G1+顆粒球,CD4+およびCD8+Tリンパ球,乳汁タンパク中のIgG1,IgG2およびα1AGのそれぞれの濃度を測定した.その結果,乳房炎罹患牛の初乳には,CD4+ヘルパーT細胞数およびIgG1を中心とした免疫グロブリン量の極端な低下が確認され,それとは逆に,G1+顆粒球を中心とした炎症性網胞ならびにα1AG量の増量が確認された.すなわち,今回調査した子牛での感染性下痢症は,乳房炎罹患で移行抗体価が低く,α1AGなどの炎症性産物を多く含む母牛の初乳を子牛が哺飲することによって,病原性大腸菌による感染性下痢症が誘発された可能性が強く示唆された.
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