CASE REPORT OF INTRA-THYROIDAL LYMPHOEPITHELIAL CYSTS

2004 
非常に稀な疾患である甲状腺内リンパ上皮性嚢胞の1症例を経験した.症例は59歳女性.他院耳鼻科で甲状腺腫瘤を指摘され当科を受診した.血液データ上は甲状腺機能の異常は認められなかった.術前画像診断で甲状腺両葉の下極に各々5 mm大の不正形で内部不均一な腫瘤が認められ,診断および治療目的で左葉の腫瘤切除術を施行した.術中迅速病理診断でリンパ上皮性嚢胞の診断が得られた.切除標本は5 mm大の嚢胞性腫瘤であり黄白色で粘性の強いワセリン様の内容物が認められた.病理所見では甲状腺組織内に嚢胞が存在し,嚢胞周囲にはリンパ組織が高度に発達し濾胞形成も認められた.また嚢胞壁は扁平上皮で覆われ上皮下にリンパ球浸潤が認められた.リンパ上皮性嚢胞は胎生期の鰓嚢,鰓裂の遺残により発生すると考えられており,側頸部胸鎖乳突筋前縁に好発する.甲状腺内発生はこれまでに世界で18例のみ報告されており,文献的考察を加えて本症例を報告する.
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