Relationship between behavior of food and occlusal configuration on masticatory function.

1995 
咀嚼運動は, 上下顎の対合する歯と, 口腔周囲軟組織との協調運動により, 食物を粉砕し, 口腔内に取り込み, 嚥下可能な食塊の形成を行う一連の運動であり, 咬合面周囲での食物の動態を把握することは咀嚼機能を理解する上で不可欠なことである.そこで本研究では咀嚼中の食物の粉砕に伴う動態を把握するとともに, その動態と咬合面形態との関連性を検討することを目的とした.食物動態を測定するために新たな方法を考案した.すなわち, 被験食品としてピーナッツを用い, 規定回数咀嚼させた後, 頬側に貯留するピーナッツと, 舌側に貯留するピーナッツを別々に回収し, その各々の重量と, 粉砕度について測定する方法である.その結果, 頬・舌側貯留率に関しては咀嚼の進行に伴い頬側貯留率は順次減少し, 逆に舌側は増加すること, 更に, 粉砕度に関してはいずれの咀嚼回数においても頬側よりも舌側が高いことが判明した.最近, 機能運動中の上顎第1大臼歯に存在する圧搾空間において食物の圧搾, 粉砕が行われると主張されている.この考えに立脚すると, ピーナッツの動態を規定する因子の一つとして圧搾空間の機能が推測される.そこで, 実験的に天然歯を模倣した咬合面と頬側咬頭を削除した咬合面で食物動態の比較検討を行った.その結果, 前者に比べ, 後者では頬側貯留率が増加するとともにその中に占める小さな粒子の割合が増加する傾向が認められ, 圧搾空間の機能的意義の一端を窺い知ることができた.
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