Prevention of Homologous Blood Transfusion by Intraoperative Predonation on Valvular Surgery without Preoperative Autologous Donation

2006 
弁膜症手術においては,系統的な術中希釈式自己血輸血(以下,D法)の報告はこれまでになく,近年は手術症例の病態の重篤化などに伴い術前貯血も必ずしも施行できない.そこで,その評価を本研究で試みた.1998~2004年の術前自己血貯血未施行の成人弁膜症手術症例中,大動脈置換術などを伴う症例を除外し,D法を施行した25例を対象とした.同種血無輸血群は18例,同種血輸血群は7例であった.体外循環離脱後に各群2例に回収式自己血輸血を施行した.両群において,男女比,術式,体重,体外循環による希釈率,体外循環時間およびヘマトクリットの推移などに差を認めなかった.しかし,D法に伴う体重当たりの術中貯血量は同種血輸血群が有意に少なかった(11.3±2.5 vs 7.3±1.8ml/kg,p<0.001).D法による同種血輸血回避は,弁膜症手術では,体重,術前Htの高低,体外循環による希釈の程度そして体外循環時間の長短による影響にかかわらず,十分な術中貯血によりほぼ達成されることが示唆された.
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