Citrate-enhanced Phytoextraction of Uranium-contaminated Soils from Arid and Humid Areas

2006 
ウランのように放射性および化学的毒性が懸念され, 汚染域が広範に及ぶ土壌の改良には, 安全性および経済性に優れたファイトレメディエーションが有効であることが提案されている。本研究の目的は, 性質の異なる土壌において, ファイトレメディエーションのキレート添加剤としてのクエン酸が, 植物のウラン吸収に及ぼす影響を評価することである。供試植物として, カラシナ, ホウキギ, ヒマワリの3種を選択し, 性質の異なるウラン汚染土壌にクエン酸溶液 (20mmol kg-1) を添加することにより, 植物が吸収するウラン量を試験した。ウラン汚染土壌は, アメリカ合衆国の湿潤地域 (湿潤土: 542mg U kg-1) および乾燥地域 (砂漠土: 137mg U kg-1) に位置する軍事基地内から採取した。全ての供試植物のウラン吸収は, クエン酸溶液の土壌添加により増加する傾向が見られた。特に湿潤土の添加処理におけるカラシナのウラン濃度 (2476mg U kg-1) は, 無処理の315倍に達した。一方, 砂漠土において, クエン酸添加が植物のウラン濃度を増加させる効果は, 湿潤土と比較して顕著に低く, 2~5倍の増加率に留まった。土壌によりクエン酸の効果が異なる要因は, 砂漠土に高濃度に含有する炭酸カルシウムが, クエン酸によるウランの溶解効果を抑制した可能性が推察された。クエン酸溶液の土壌添加は, 湿潤土におけるカラシナの乾物重量を顕著に減少し, その結果土壌からのウラン除去量が低下し得ることが確認された。一方, ホウキギやヒマワリは, 単位重量当のウラン蓄積量がカラシナと比較して低値を示したが, これら植物の乾物生産量に優れた特性は, 結果として土壌からのウラン除去量を増加させた。
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