Effects of Low Dietary Phosphorus on Salivary Flow, Ruminal Water Balance and Plasma Metabolites Concentrations in Sheep

1992 
めん羊を用いて高P飼料から低P飼料への切り換えと低P飼料の継続給与がめん羊の唾液流量,第一胃水分バランス及び血液成分に及ぼす影響を検討した.第一胃および十二指腸フィストラを装着した去勢雄めん羊(平均体重50kg)6頭に,チモシー乾草98%(6.0cm切断)とばん砕大麦2%からなるP含量が維持量程度に低い飼料(低P:1.8g/d)とそれにNa2HPO4•12H2Oを添加した高P飼料(高P:4.0g/d)を1日2回給与した.高P飼料で12日間の予備飼育の後,3日間血液,第一胃内容物および十二指腸内容物を採取した.この後低P飼料へ切り換えて7日間の予備飼育の後,続く3日間のサンプリング期を4期もうけ,合計40日低P飼料での飼育を行なった.なお非吸収マーカーとしてPEG4000を第一胃内に注入した.血漿P濃度は低P飼料に切り換えてもすぐには変化せず,有意に低い値となったのは低P飼料給与後約1ヵ月であり,しかも血漿P濃度はその後再び増加する傾向が見られた.なおBUN濃度が血漿P濃度とは逆の動きを示し,唾液分泌量の減少との関係が推察された.第一胃内溶液P濃度は高P飼料から低P飼料への切り換え直後から有意な減少を示した.第一胃液流出速度は11.3%/h(高P)から8.8,8.6と7.1%h(低P)にまで低下したが第一胃液量に変化は認められなかった(高P:8.21;低P:7.8,8.5,9.31).第一胃内容液量および流出速度から算出した唾液流量は変動は大きいが低P飼料給与により減少する傾向が見られた.めん羊では低P飼料給与時の初期の段階では体内からのPの損失を防ぐために唾液流量を抑え,第一胃水分バランスに影響を及ぼしているようであった.またこの時期には血液よりも第一胃内容液中P濃度の方がめん羊のP代謝の目安としては適切であると考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []