ZnO-Al2O3-SiO2系結晶化ガラスの透明性に対するZrO2析出処理の効果

1980 
ZnO-Al2O3-SiO2系β-石英固溶体を主相とする結晶化ガラスの透明性に対するZrO2析出処理の効果について調べた. 基礎ガラス組成は, 38 ZnO, 11 Al2O3, 51 SiO2 mol%とし, 基礎ガラスに対し核形成剤としてZrO2を12wt%添加した. 得られた結果は次のとおりである.(1) 等温処理する際のZrO2の析出量, 結晶子径の経時変化をX線粉末回折により調べ, 730℃で熱処理した時, 最も結晶粒子数の多い析出状態が得られることが分った.(2) ZrO2の析出量が十分でない場合, 15℃/min, の昇温速度で加熱すると約1010℃で, この系の安定相であるウィレマイトが主相として析出した. これは, 準安定β-石英固溶体の核発生位置となるZrO2・ガラス界面が十分に供給されなかったためと考えられた.(3) 十分にZrO2を析出させ830℃で主相を析出させた際, ZrO2析出のための前処理温度が750℃であった場合には約550Åのβ-石英固溶体粒子が析出し, 結晶化度約40%の結晶化物は乳白色であったが, 前処理温度が730℃であった場合にはその粒子径は約250Åであり, 結晶化度約40-50%まで結晶化物は透明性を示した. 更に結晶化させるとβ-石英固溶体粒子の融合, 成長により粒子径が増すために試料は乳白すると考えられた.(4) 熱膨張測定から, ZnO-Al2O3-SiO2系β-石英固溶体結晶は比較的低膨張であることが分った.
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