Pollution evaluation of the river in Aso caldera area by the methods of moltivariate analysis

阿蘇カルデラ内火山流域河川を対象に, 1984年12月, 1985年4月, 8月, 11月に実施した流量, 水質, 底生動物の調査結果を用いて, 多変量解析法である主成分分析や重回帰分析を行ない阿蘇火山流域河川の評価を行った。水質の主成分分析の結果, 第一主成分Z1 (16I, 7S) およびZ1 (9I, 7S) に火山流域河川の水質特性を示すものが抽出された。次に最下流調査地点に対する火山性汚濁評価を, 第一主成分得点差と流量比との積 (火山性汚濁得点Pii=1～6) により行った結果, ホ場整備の際に黄鉄鉱地帯に埋設された暗きょが大きな汚濁化作用を有することが示された。底生生物と水質の重回帰分析の結果, 生物相に最も影響を与える水質項目はF-であった。また, 水質の第一主成分Z1 (9I, 10S) と生物の群集類似度DI (N) の間にはDI (N) =1.888e-0.192Ziの関係が示され, 火山性汚濁が進行すると底生動物の生息が阻害される水環境になることがわかった。