Sjögren症候群, asymptomatic Bence Jones蛋白尿, sarcoid病変などの多彩な病像を呈した免疫異常症-症例報告と相互関連にかんする考察-

1977 
われわれは今回Sjogren症候群にasymptomatic Bence Jones蛋白(κ)尿,血清中にIgG (κ)型monoclonal gammopathyおよびsarcoid病変を併発した貴重な症例を経験した.症例: 61才,家婦.昭和40年関節痛,手趾先端の冷感,疼痛,息切れ, 48年口腔内乾燥感,涙,唾液の分泌困難, 51年7月発熱,胸部X線像上異常陰影にて当科に入院. Raynaud現象(+),胸部X線像上網状陰影を認めた.赤血球数384万,白血球数7,700,血液像ほぼ正常,骨髄中形質細胞の特徴を併せもつatypical lymphoid cell 2.2%,蛋白尿(+), Bence Jones蛋白(+).肝,腎機能正常. Schirmer test(+), sialographyにて唾液腺の萎縮を認めた.唾液腺,皮疹の生検で巨細胞を伴つた類上皮細胞結節を認めた.肺生検で細小動脈の肥厚と共に同様な所見がみられた.直腸,腎生検にてamyloidの沈着(-).本例におけるSjogren症候群, plasma cell dyscrasiaおよびsarcoid病変はいずれも免疫異常を背景に有する.すなわち本例はmultiple immunopathiesを呈した症例として把えることができる.そしてこれらの相互関係について次のような立場で考察した.本例の基本的病変はSjogren症候群と考え,これにより一方ではsarcoid病変を,他方ではplasma cell dyscrasiaを惹起したものと考えられる.この場合のsarcoid病変はsarcoidosisというよりはむしろsystemic sarcoid reactionとして考える方が適当であることを指摘した.
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