A case of nocardiosis in the subauricular region diagnosed by aspiration cytology.

1998 
穿刺細胞診で診断された耳下腺部ノカルジア症の1症例を報告する. 症例は51歳女性, 多発性筋炎および問質性肺炎にてステロイド療法を3年間受けていたが, 右耳下腺部の腫瘤を指摘された. 悪性腫瘍を疑い, 穿刺細胞診が施行された. 光顕的に, 壊死物質と多数の好中球の出現する膿瘍様の背景に, 分枝状, 放射状の繊細な菌糸を認めた. 菌糸は, PAS, Grocott染色に陽性でNocardiaを疑い, Gram, Fite-Faraco抗酸菌染色に陽性所見を示したため同菌と確定した. 培養後の生化学的性状から, Nocardia asteroidesと同定された.Nocardiaの菌糸は, Papanicolaou染色では見逃しやすいため, 入念な観察が必要である. ノカルジア症は, 近年免疫不全状態の患者を中心に増加傾向にあり, ときに重篤な経過をたどる. 特にこのような患者からの穿刺細胞診で, 膿瘍様の所見がみられた場合は, ノカルジア症を鑑別に入れて検討する必要がある.
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