トリプルネガティブ乳癌(TNBC)で術前化学療法を行いpCRが得られるも6か月で再発した1例

2016 
症例は68 歳,女性。右トリプルネガティブ乳癌(TNBC),cT1N1M0,Stage ⅡA の診断で術前化学療法[weeklypaclitaxel(PTX)+bevacizumab(Bev)4 コースとFEC100 5-FU,epirubicin,cyclophosphamide 4 コース]を施行した。手術は右乳房温存術と腋窩郭清を行い,病理診断はpCR であった。術後6 か月に右腰・背部痛あり,PET-CTを行ったところ,多発肝転移,骨転移,縦隔および胆管周囲リンパ節転移と診断した。再発治療としてbi-weeklyでPTX+Bevを投与し,劇的に痛みは改善した。しかし,奏効期間は3 か月であった。second-lineはeribulinを選択したが,著効なく永眠された。TNBC は化学療法でpCR が得られた場合,比較的予後がよいとはいわれている。しかし,本症例ではわずか6 か月で再発した。TNBC ではpCR が得られても術後1〜2 か月ごとに1 回,診察と腫瘍マーカーを採血することが必要である。TNBC の再発治療としてPTX+Bev を選択した。この治療はOS,DFS の延長は得られていないものの,一時的に奏効したことで患者のQOL を保つことができた。今後,さらにTNBC の解明と治療の開発が必要である。
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