The Uses of Kizami (Minced Foods) Diets in Special Nursing Homes for Elderly

1994 
本研究の目的は, 特別養護老人ホームにおけるきざみ食の実態を明らかにすることである。調査は郵送調査方法を用い, 栄養士に回答を依頼した。東京都内の157全施設を対象とし, 132施設 (回収率84.1%) から回答を得た。得られた主な結果は次のとおりである。1) 施設におけるきざみ食は全体の43%にも及び, ミキサー食・流動食は7%であった。2) 常食からきざみ食に変更する場合, あるいは常食へ戻る場合は, 寮母 (夫), 看護婦が最も多く関わっていた。流動食への変更やその逆は, 医療スタッフが大きく関与していた。3) 栄養士が捉えたきざみ食とは, 身体的条件として口腔内状況の悪化や嚥下障害の他, 体調が悪い, 食欲の低下にも該当していることが分かった。4) きざみ食の調理上の問題点は,“手間がかかる”,“材料や料理が制限される”,“外観上おいしそうにみえない”,“味が低下する”,“テクスチャーが低下する”,“きざみ食の個人対応が難しい”等であった。それらの対応として,“調理のマニュアルをつくる”,“代替食品の使用”,“でき上がった料理は見栄えがよくなるように盛りつける”等であった。5) きざみ食の主な調理器具は包丁であった。きざむ大きさは, ごくきざみ食はほとんど3mm以内, 通常のきざみ食では3mmから2cm以上の範囲であった。しかし, 老人の嗜好度の高いまぐろの刺身やにぎり寿司は, きざみ食全体の10~30%が常食に近い形態で提供していた。本研究を行うにあたり, 調査にご協力いただきました東京都内の特別養護老人ホームの施設長, 栄養課の皆様に厚く御礼申し上げます。また, 多大なご支援とご協力をいただきました元東京都老人医療センター歯科口腔外科 湖山昌男氏, 元板橋区立特別養護老人ホームみどりの苑香春京子栄養士, 元社会福祉法人特別養護老人ホーム清雅園 山田美子栄養士に深くお礼を申し上げます。更に, 貴重なコメントなどをいただきました北海道医療大学看護福祉学部芳賀博教授, 山形大学医学部公衆衛生学 安村誠司講師にお礼を申し上げます。
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