A Model for Acid Exposure using Trachea Excised from a Guinea Pig

2008 
咽喉頭酸逆流症(laryngopharyngeal reflux disease, LPRD)など食道外の胃食道逆流症の粘膜上皮の病態をより明らかにするため,摘出モルモット気管の酸暴露モデルを作成し,電気生理学的検討をおこなった。塩酸を頂膜側より投与しpHを変化させると,pH 2より短絡電流は増加し,気管粘膜は電気的にleakyになることが認められた。一方,ペプシンは,今回の実験では電気的バリアに対する効果は認められなかった。1N塩酸投与後,実験的にプロトンポンプインヒビターであることが知られ耳鼻咽喉科外来で粘膜の局所処置に用いられている塩化亜鉛(0.5%)を頂膜側より追加投与すると,塩酸による気管粘膜の電気的バリアは回復した。1N塩酸暴露後,基底側からの10μMランソプラゾール投与は,今回の実験系においては,気管上皮の電気的バリアに影響を及ぼさなかった。この実験系を用いることにより,新たなLPRDに対する治療戦略が得られる可能性があり,さらに詳細な検討が必要であると思われた。
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