小児透析患者における多嚢胞化萎縮腎 (acquired cystic disease of the kidney) に関する検討

1989 
Acquired cystic disease of the kidney (ACDK) は成人長期透析患者で高率に発生することが知られているが, 小児期長期透析によるACDK発生に関する報告は極めて少ない. 今回我々の施設において維持透析を行っている小児期に血液透析導入となった患者15名に対し自己腎の嚢胞発生の有無を検索した.年齢は5歳より28歳 (平均24.9歳) 導入時平均年齢は13.1歳, 平均透析歴は6.6年である. 15例中4例 (26.6%) にはcystを認めず, 2例 (13.3%) ではsingle cystのみを認めた. 9例 (60%) に両側性多発性腎嚢胞を認めた. 透析期間と嚢胞発生には正の相関が認められ, 透析期間が長期化するほど嚢胞発生率が高かった. 透析歴7年以上の症例では全例に嚢胞形成を認めた. 血液化学所見, 血算, 血液エリスロポエチン濃度と嚢胞発生には関係は認められなかった. 小児期に透析導入となった患者でも成人と同様ACDKの合併が高頻度にみられる. 年齢に関わらず透析患者に対して定期的なUS, CT等によるscreeningを行うことが勧められる.
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