A CASE OF RIGHT PARADUODENAL HERNIA WITH MALROTATION
2009
傍十二指腸ヘルニアは内ヘルニアの1つであり,内ヘルニアの発生頻度は全イレウス疾患の1%程度とされ,その発生は稀である.症例は57歳,男性.主訴は腹痛と嘔吐.開腹の既往歴はない.腹部CT検査で右上腹部に袋に包まれたような小腸の集簇した所見(sac-like appearance)と上腸間膜静脈の左方偏位(SMV rotation sign)がみられた.手術所見では血流障害に陥った小腸とTreitz靱帯の形成不全がみられ,腸回転異常を伴う右傍十二指腸ヘルニアと診断した.腸管切除が必要であったが術後の経過は良好であった.稀な疾患であるが成人の腸閉塞の原因の1つとして念頭に置き,迅速な診断・治療が必要である.回転異常症が原因のこともあるため本症が疑われる場合には解剖学的奇形についても注意が必要であると考えられる.
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