【注目される脂肪組織の免疫細胞】 内臓脂肪の慢性炎症を惹起するヘルパーCD4 T 細胞とB 細胞の役割

2016 
◎肥満の病態では,内臓脂肪組織は体の大部分を占める臓器であり,その内臓脂肪組織のSVF(stromal vascularfraction)には実に数百万個の免疫細胞が存在するといわれている.内臓脂肪組織でのさまざまな免疫細胞の活動が内臓脂肪組織の動的恒常性を維持するだけでなく,全身のインスリン感受性に影響を及ぼしていることが近年の研究から明らかされつつある.主要な免疫細胞にはマクロファージ,T 細胞,B 細胞,NK 細胞,好中球,好酸球などが存在するが,T 細胞のみに着目しても実に多様性に富んだサブセットが存在する.とくにCD4 T 細胞は免疫応答の司令塔の役割を担っており,MHC classⅡを介する抗原提示や,サイトカインの分泌を介して他の細胞と相互に機能している.本稿では,内臓脂肪組織におけるCD4 T 細胞の役割およびB 細胞との相互機能を中心に,その概要を解説する.
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