A Case of Deep Cervical Abscess Due to Upper Gastrointestinal Endoscopic Examination.

2001 
55歳の男性が上部消化管内視鏡検査施行後に頸部腫脹と頸部痛を主訴に来院した。頸部CTにて深頸部膿瘍が認められ,内視鏡検査によって下咽頭食道穿孔が生じ,それによる膿瘍形成と思われた。本例は検査終了後,患者が強い疼痛を訴えたが,経口摂取を中止せず,また基礎疾患として糖尿病が存在したため短期間に膿瘍が生じたと思われた。治療は,大量のガスを伴った膿瘍で上気道圧迫症状が認められたため,直ちにDeanの切開法および気管開窓術を施行した。術中大量の腐敗臭を伴った膿汁が存在しており,嫌気性菌が疑われたため切開創は開放創とし,経過観察を行った。創の閉鎖は膿汁排出の消失を確認後に行った。深頸部膿瘍の診断には頸部単純X線撮影とX線CT検査が有用であった。特に頸部X線CTは膿瘍の程度や縦隔内への波及の有無を見るためには必須の検査と考えられた。内視鏡による穿孔は,小穿孔や感染徴候のないものでは抗生物質投与と絶飲食で治癒可能であるが,穿孔が大きいものや深頸部膿瘍などの合併症が生じた場合は,直ちに外科的治療を行うべきである。また,嫌気性菌が疑われるときは頸部切開創を開放創にし,炎症の消退を確認してから二次的に閉鎖することが望ましい。
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