Effects of litter covering for Quercus serrata Thunb. acorns on emergence and growth activity of seedlings
2005
上層木を強くすかした林地にコナラ果実を播き付け, 落葉被覆が実生の発生と成長に及ぼす影響を調べた。また, 圃場で,落葉被覆が地表下3 cmの土壌の温度とpF 値に及ぼす影響を調べた。落葉被覆の影響は,土壌のpF 値に対して顕著であった。被覆量200 g m-2 以下では土壌乾燥は急速に進んだ。一方,400 g m-2 以上では土壌乾燥は大きく抑制された。実生の発生率は,被覆量90 g m-2 では5% であったが,被覆量180 g m-2 および360 g m-2 ではともに40% を示した。1 成長期を経た実生重は,被覆量によって異なり,360 g m-2 では180 g m-2に比べ20% 近く大きかった。実生重については,果実重や実生発生時期のほかに,シュート伸長様式が関与しており,落葉被覆は実生発生時期と二次伸長の促進にかかわっていた。厚い落葉被覆は,実生発生時期を遅らせるが,二次伸長を促進した。厚い落葉被覆がもたらす土壌の湿潤性が,二次伸長の促進を通して,実生の成長量を増加させると考えた。
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