Radiation Preservation of Citrus Unshiu

1977 
温州ミカンの放射線殺菌のための線質を選定する目的で,γ線および電子線で照射したミカンの風味の変化と,γ線照射したミカンの貯蔵性について検討した。(1) γ線で50krad照射したミカンは照射直後にoff-flavorを生じるが,4℃に7日間貯蔵するとoff-flavorは減少し,非照射ミカンとの間で官能的評価に有意差は認められなかった。また200krad照射しても貯蔵中にoff-flavorの減少が認められた。(2) l.0MeV電子線で150krad照射したミカンでは,γ線とは逆に甘味が増し,非照射よりも高い官能的評価が与えられた。(3) γ線50krad照射では緑カビや青カビの生育抑制効果は認められず,非照射とほとんど変わらないが,150~200kradでは効果的であった。(4) 貯蔵中の褐変発生率はγ線50krad照射でも非照射区より増加し, 200kradではさらに増加した。(5) 貯蔵中のカビや褐変発生に対する線量率の効果は, 5~500krad/hrの範囲でほとんど認められなかった。(6) 200krad照射したミカンでは, 3℃貯蔵で3カ月間カビの発生は効果的に抑制できるが,室温貯蔵に移すとカビや褐変の発生が増加し,軟化や萎縮が著しく,食用に耐えないほど品質が劣化した。
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