初診時にActinobacillus actinomycetemcomitans, Porpkyromonas gingivalisに対して高い血清IgG抗体価を示した歯周炎患者の長期的予後観察

1999 
歯周治療におけるA. actinomycetemcomitans, P. gingiualisに対する血清IgG抗体価測定の有用性を検討する目的で, 初診時に両菌に対して高い抗体価を示した16名 (AaPg群) とP. gingiualisのみに高い抗体価を示した36名 (Pg群) について, 初診時の1歯あたりの平均骨吸収率を比較した。また, 同じ処置を行って初診から3年以上経過したAaPg群11名, Pg群13名について年平均の喪失歯数と悪化率を算出し, 良好WM群, 悪化 (D) 群, 急速悪化 (ED) 群に分類し, 比較した。初診時にAaPg群 (44.6%) はPg群 (36.2%) より有意に高い骨吸収率を示した。3年以上経過例では, 初診時骨吸収率 (44.2%, 31.0%), 喪失歯数 (0.96%, 0.17%), 悪化率 (4.0%, 1.0%) でAaPg群で有意に高い値を示した。また, AaPg群11名中7名がED群であったのに対し, Pg群13名中9名がWM群であった。さらに, 重症度が同程度の患者群を想定し, 初診時骨吸収率が20%以上50%未満の患者を選択し比較した。喪失歯数, 悪化率は統計学的に有意ではなかったが, それぞれ0.67vs0.14, 2.5%vs1.1%と, AaPg群で高い平均値を示し, AaPg群6名中4名がD群またはED群, Pg群9名中7名がWM群であった。このように, 両菌に対する抗体価が高い患者は重篤な骨吸収と予後不良の傾向を示し, 歯周治療における抗体価測定の有用性が示唆された。
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