Overview(疫学,病態生理など)

2015 
◎睡眠時無呼吸症候群(SAS)は日中の強い眠気から交通事故にまで発展する病気として,いまや世間に広く知られる病気となった.かつては呼吸器科医が中心となって扱っていた病気であるが,循環器疾患との関連が明らかになるにつれ,日本の循環器科医にも高血圧,心不全,脳卒中などの心血管病につながるものとして認識されるようになり,一次予防,二次予防いずれにおいても注目されるようになってきている.循環器疾患との関連においては“睡眠呼吸障害(SDB)”という表現が好まれる.本稿ではまずSDB にまつわる用語の定義や診断,分類方法などについて概説する.その後,SDB と循環器疾患の関連について,疫学的な観点,病態生理学的な観点からoverview を示したいと思う.疫学研究については,アメリカで行われている大規模コホート研究を中心に概説する.病態生理については,今回本特集で扱う高血圧,冠動脈疾患,心不全,不整脈,大動脈疾患に及ぼす影響を理解するための鍵になる機序に焦点を当てる.
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