A Case of Early Rectal Cancer with Malignant Peritoneal Mesothelioma

2009 
悪性腹膜中皮腫に合併した早期直腸癌の1例を経験したので報告する.症例は87歳の男性で,便通異常,腹部膨満を主訴に精査目的で入院となった.大腸内視鏡検査で下部直腸に1/2周の2型腫瘍を認め生検の結果,高分化型腺癌であった.注腸造影X線検査で直腸約10 cmの範囲で腸壁肥厚に伴う狭窄を認め,びまん浸潤型直腸癌と診断し腹会陰式直腸切断術を施行した.骨盤内に黄色透明の腹水を少量認めたが,直腸間膜の著明な肥厚以外他の部位に同様の異常は認めなかった.病理組織学的診断は,lateral spreading tumorの早期直腸癌であった.また,肥厚した直腸間膜の病変ならびに腫脹したリンパ節は,悪性腹膜中皮腫,中皮腫のリンパ節転移と診断された.悪性腹膜中皮腫とびまん浸潤型直腸癌の腸間膜浸潤は肉眼的に鑑別が困難であり,腹膜肥厚を認めた場合,悪性腹膜中皮腫も鑑別診断として念頭におく必要があると思われた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    6
    References
    2
    Citations
    NaN
    KQI
    []