Quality of Life in the First Year after Colorectal Cancer Surgery

2004 
はじめに: 大腸癌患者術後のquality of life (以下, QOL) を信頼性と妥当性の確認されたQOL調査票で前向きに解析した研究は少ない. 本研究の目的は術後12か月間の経時的なQOLを評価し, 術後1年におけるQOLを予測する因子を明らかにすることである. 方法: 根治度Aの手術が行われた大腸癌患者46名を対象に, European Organization for Research and Treatment of Cancer (以下, EORTC) のQOL調査票であるEORTC QLQ-C30日本語版を用いて, 術後12か月間のQOLを前向きに評価した. また, 術後1年のQOLを予測する因子を解析した. 結果: 各尺度の経時的変動をみると, global QOLは術後1か月で最低値を示し, 術後6か月以降で改善した. emotional function は術前と比べて術後2か月以降で改善した. fatigueとpainは術後1か月で最低値を示し, おのおの術後7か月以降と2か月以降で改善した. 術後1年のQOLの予測因子として, 雇用, リンパ節転移, stomaの有無の3つが重要な因子であった. 考察: 大腸癌患者の術後1年間のQOLで有意の変動を示したのはglobal QOL, emotional function, fatigue, pain の4つの尺度であった. 雇用, リンパ節転移, stomaの有無は術後1年のQOLの重要な予測因子であった.
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