肝切除術後もDICが遷延し死亡した巨大肝血管腫による Kasabach-Merritt 症候群の1例

2004 
症例は66歳の男性. 巨大肝血管腫のため外来通院していた. 2001年にうっ血性心不全による呼吸困難のため入院した. 入院時より出血傾向が認められDICを来していた. 肝血管腫による Kasabach-Merritt 症候群と診断され, ダルテパリンナトリウム投与によってDICは改善したが減量により増悪した. 根治的治療のため巨大肝血管腫切除術を第77病日に施行した. しかし, 術後も出血は続き第79病日に死亡した. Kasabach-Merritt 症候群の肝血管腫切除術の成績は一般に良好であると報告されている. 自検例では術後もDICが遷延し, 肝に強度の出血性壊死を来していた. 自験例以外にも術中大量出血を来した症例の報告がある. よって Kasabach-Merritt 症候群の肝血管腫切除術では, 大量出血を来す可能性を念頭において手術に臨む必要がある. また, 術前動脈塞栓術などの出血の危険性を減らす方法も検討すべきと考える.
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