Structures and Inclusion Phenomena of Modified Cyclodextrins.
1998
修飾シクロデキストリンとその包接化合物の結晶構造解析を行い, 修飾による構造変化がシクロデキストリンの包接機能に及ぼす効果を検討した. 未修飾のシクロデキストリン環の立体構造は隣り合ったグルコースの第二級ヒドロキシ基間での分子内水素結合により円筒状に保持されており, 空洞の大きさと形に合致する分子またはその一部が包接される. 6-Oまたは2-Oの位置のモノ置換体の場合, シクロデキストリン環の構造はほとんど変わらないが, 結晶中においては置換基がゲストとして隣りの分子に包接されている. 2-Oと6-Oの位置がすべてメチル化された場合でも3-OH・・・O-2型の分子内水素結合が形成されるため空洞の形は大きくは変わらない. しかしながら, 空洞の両端についたメチル基によって空洞がより深くなるため, 包接されたゲスト分子の位置と向きは未修飾シクロデキストリンの複合体の場合とは必ずしも同じにはならない. 他方, すべての水酸基がメチル化された場合は,分子内水素結合ができなくなるために環構造の柔軟性が増し, ゲスト分子の形状に合うようにシクロデキストリンのコンポメーションが変化することにより, 光学異性体に対する識励機能が向上することが明らかになった.
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