インシデントの「影響度分類」の一考察 ―転倒・転落事例の分析から―

2011 
当院では, 2006年にインシデントの影響度分類を, 旧分類のレベル0~8から国立大学附属病院安全管理協議会のレベル0~5の分類(以下現分類) に変更した. そこで2004~2009年度分の転倒・転落を遡及的に分析し, 現分類の意義を検討した.2004~2005年度分を, 現分類に変更するため, 内容を精査してレベル分けしたところ, 消毒や止血などを実施したにも関わらず結果的に健康被害が無い場合は, 旧分類レベル3 「エラーが起こり患者に実施され様子観察や検査を必要とした. 健康被害はないかすぐ回復するものであった」ではなく, 旧分類レベル2 「エラーが起こり患者に実施されたが, 健康被害はなかった」に分類されていた. これは, 旧分類では, 抽象的表現での処置内容と健康被害の有無が混在していたため, 健康被害がないことに重きを置いて分類していたものと考える. 現分類は, 具体的な処置内容が明記されているため実態に即した分類が可能となっていると考えられた.
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