インターフェロン(IFN)投与により著明なリンパ球減少,免疫不全を呈したC型慢性肝炎の1例

1995 
症例は63歳,男性.他院にてC型慢性肝炎活動性と診断され,IFN療法開始.連日投与終了後,不眠,不穏,興奮状態,体重減少を認め,HLBI約6週(総量156MU)にて中止し当科入院となる.入院時,GOT27,GPT18と正常値を示すもリンパ球623/μlと低値を示した.その後,39℃の発熱,肺炎を併発し呼吸状態も悪化,人工呼吸管理とした.末梢血では500/μl以下の著明なリンパ球減少が持続し,抗真菌剤とともにmethylpredonisoloneのパルス療法を施行.それを契機にリンパ球は増加し,肺炎は改善傾向を示した.後日,ステロイド投与前の抗リンパ球抗体が陽性であり,投与後陰性化していることが判明した.また,リンパ球減少時は正常であったトランサミナーゼは回復とともに増加した.本例はIFN投与によりリンパ球抗体が発現し,著明なリンパ球減少,免疫不全,真菌性肺炎を来した稀な例と考えられた.また,トランサミナーゼの経過はC型肝炎の肝細胞障害機序を考察する上で興味深く,考察を加えて報告した.
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