Lurasidone の抑うつエピソードを伴う双極I型障害患者に対する長期投与試験:28 週間非盲検継続投与試験

2021 
背景:ルラシドン(Lurasidone)は,日本人を含む多様な民族集団を対象とした抑うつエピソードを伴う双極性障害の短期治療において有効性を示している。本試験では,これらの患者を対象に非盲検で lurasidone を投与した時の長期安全性及び有効性を評価した。方法:28週間継続試験の対象は,6 週間の二重盲検比較試験で lurasidone 20~60mg/日,lurasidone 80~120mg/日またはプラセボ投与を完了した被験者から募集し,lurasidoneを可変用量(20~120mg/日)で投与した。安全性は,有害事象,バイタルサイン,体重,心電図,臨床検査値,自殺傾向及び錐体外路症状の評価尺度について,継続期のベースラインからエンドポイントまでの変化量で評価した。有効性は,Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)等の評価尺度により評価した。結果:被験者413例のうち303例(73.3%)が継続試験を完了した。治験薬投与中に発現した有害事象が原因で試験を中止した被験者の割合は,先行の 6 週間試験でプラセボを投与した被験者で 11.4%,lurasidone を投与した被験者で 8.9%であった。最も多く認められた有害事象はアカシジアであった。体重及び代謝パラメータにおける変化はごくわずかであった。Lurasidone の長期投与による MADRS 合計スコアの平均値は,先行する 6週間の二重盲検比較試験でプラセボを投与した被験者(-11.3)及び lurasidone を投与した被験者(-8.9)の双方で,継続試験ベースラインから28週目(又は LOCF エンドポイント)までにさらに低下した。限界:プラセボ対照群を設けず,二重盲検比較試験ではなかった。結論:Lurasidone(20~120mg/日)の長期投与は,多地域の双極性障害患者集団において,安全性についての新たな懸念事項はみられず忍容性は良好であり,双極性障害患者の抑うつ症状の継続的な改善が認められた。臨床試験登録:JapicCTI-132319, clinicaltrials.gov - NCT01986114 臨床精神薬理 24:1049-1071, 2021 Key words ::lurasidone, bipolar disorder, bipolar depression, major depressive episode, atypical antipsychotic
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