Treat-to-target/Window of opportunity

2014 
Treat-to-target は“目標達成に向けた治療”と訳され,T2T とも略される.日常診療において治療目標を明確にして戦略的に治療を展開することを意味しており,そもそもは糖尿病の分野で使われはじめた. 関節リウマチ(RA)においてはT2T の概念はオーストリアのSmolen 教授によって提唱された.そして,2010年には日常診療でT2T を実践するためのT2T リコメンデーションが提唱されている1).T2T とは,RA において総合的疾患活動性指標を定期的に測定することにより,寛解導入のみならず持続的な寛解維持を治療目標として積極的に治療を行う方法をさす.3 カ月以内に目標が達成できない場合には治療方針の変更を積極的に検討する.また,合併症などの事情により寛解の達成が望めない場合には,低疾患活動性を代替的な治療目標とする. 疾患活動性のモニタリングに用いられる総合的疾患活動性指標としては,全身の28 関節の腫脹・圧痛などを指標とするDAS28 がある.また,患者評価(visual analoguescale:VAS)も含めたSDAI (simplified diseaseactivity index),あるいはCRP を除いたCDAI (clinicaldisease activity index)などが用いられる場合もある. T2T を実践することで,高い臨床的寛解導入率が達成できるばかりか,関節破壊の進行を阻止できる構造的寛解,さらには関節機能を正常化させる機能的寛解をも達成可能であることが示されている.
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