1,4-シクロヘキサジエン, 1-メチル-1,4-シクロヘキサジエン, および 1,5-シクロオクタジエンの異性化

1970 
非プロトン溶媒中における環状非共役ジエン [1,4-シクロヘキサジエン (1,4-CHD), 1-メチル-1,4-CHD, および 1,5-シクロオクタジエン (1,5-COD)] の共役ジエンへの塩基性触媒異性化反応について検討した。1,4-CHDの異性化においては t-BuOK-DMF 系が最もよく, 異性化速度に対して溶媒の誘電率, 触媒の溶解度が大きな影響をおよぼすことがわかった。t-BuOK-DMF 系での 1,4-CHD〓1,3-CHD の平衡に対して ΔH°=1.01kcal/mol と得られた。一方, t-BuOK-DMSO 系では 1,4-CHD の 1,3-CHD への異性化, 続いてベンゼンとシクロヘキセンへの不均化が起こる。1-メチル-1,4-CHD の異性化生成物として 1-メチル-1,3-CHD,2-メチル-1,3-CHD, 3-メチリデンシクロヘキセンの3種の共役ジエンが得られた。この場合には t-BuOK-DMSO 系において異性化反応が起こり, 不均化反応は起こらなかった。1,5-COD の異性化においては DMF 中と DMSO 中では異性化速度に大きな差がみられた。異性化速度の差異に対するジエンの構造の影響として環の歪が大きな因子であることが推定された。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    3
    Citations
    NaN
    KQI
    []