The pharmacodynamics of omeprazole in patients on maintenance hemodialysis

1996 
慢性透析患者において, プロトンポンプ阻害剤であるomeprazoleの有用性と, 単回および連続投与時の薬物動態を検討した. 消化性潰瘍, 出血性胃炎, または出血性胃ポリープを発症した慢性透析患者5例に, omeprazole 20mg錠を1日1回早朝空腹時に7日間経口投与した. 内視鏡所見または臨床症状の改善が全例で認められた. うち4例で投与開始日と7日目に, 服用後, 経時的に24時間までのomeprazoleの血漿中未変化体濃度を測定し, 最高血中濃度 (Cmax), 最高血中濃度到達時間 (Tmax), 消失半減期 (t1/2), 血中濃度曲線下面積 (AUC) を算出した. Cmaxは投与1日目には健常人よりやや高い傾向があったが, 7日目には健常人と同じであった. TmaxとAUCは, 投与1日目と7日目がほぼ同値であり, 健常人と差を認めなかった. t1/2は投与1日目と7日目は同値であったが, 健常人より短縮していた. 以上より, 慢性透析患者においても, omeprazoleは消化性潰瘍および上部消化管出血に対して有効であり, 蓄積傾向も見られず, 健常人と同等量の投与が可能であると考えられる.
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