胃下部早期癌手術におけるNo.1, No.4sbリンパ節郭清省略の適応

1994 
過去21年間における下部胃癌切除323例ならびに同期間の早期癌354例を対象とし, 下部早期癌に対する縮小手術として, No.1ならびにNO.4sbリンパ節郭清省略の可能性について検索した.(1) 下部胃癌切除323例中, No.1, No.4sb転移は早期151例, pm48例では認められず, ss・seではそれぞれ15.3%, 3.2%の転移率であった.(2) 同期間の早期癌354例ならびに下部早期胃癌リンパ節転移陽性14例などの検討から, No.1リンパ節郭清省略の適応として, 1) 前壁・小彎病変では3cm以下の隆起型ならびに陥凹型 (分化型) m癌, 2) 後壁病変では, 上記に加え2cm以下の混合型, 陥凹型 (低分化型) m癌, 3) 大彎病変ではさらに若干の適応の拡大も可能と判断され, 2.0cm以下のsm癌までが考慮された.(3) 上記適応症例では, No.4sbリンパ節郭清省略も可能と判断された.
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