腎・肝障害患者における薬物動態変動─ 臓器内・臓器間連鎖の関与

2018 
腎障害や肝障害など臓器機能が低下した患者では,臓器障害のない患者と比較して特徴的な薬物動態を示すことがある.このため,臨床現場においては臓器障害に伴う血中薬物濃度の変動による薬効や毒性の変化に注意を払うべきである.近年,新薬の申請時に,腎障害や肝障害患者での薬物動態を必要に応じて調べることが求められており,それらの情報は,添付文書やインタビューフォームなどで容易に検索できるようになってきた.この情報を適正な薬物治療に活かすにはそのメカニズムにまで踏み込んだ議論が必要であるが,臓器障害による薬物動態変動メカニズムについてはいまだ不明な点が多い.本稿では腎障害時および肝障害時における薬物動態の変化と,そのメカニズムの知見について概説する.
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