SGLT2阻害薬ルセオグリフロジンの高齢2型糖尿病患者における安全性と有効性の検討―高齢者における特定使用成績調査(最終報告)―

2017 
目的Sodium glucose co︱transporter 2(SGLT2)阻害薬ルセオグリフロジンの高齢2 型糖尿病患者における使用実態下での安全性と有効性を,特定使用成績調査として検討する。方法ルセオグリフロジン市販開始から約3 ヵ月間(2014 年5 月23 日~8 月31 日)に本薬の投与が開始された65 歳以上の2 型糖尿病患者を対象に,可能な限り全例を収集する特定使用成績調査を実施した。観察期間は投与開始日から1 年間とした。結果本調査の安全性解析対象は1262 例,有効性解析対象は1249 例であった。安全性解析対象(1262例)の平均年齢は73.0 歳,糖尿病の平均罹病期間は10.2 年,ルセオグリフロジン投与前の平均HbA1cは7.63%,平均BMI は26.2 kg╱m2,平均推算糸球体濾過量(eGFR)は67.6 mL╱min╱1.73 m2であった。ルセオグリフロジン投与開始時の他の血糖降下薬の併用状況は,ルセオグリフロジンと2 薬剤以下(併用なしも含む)の血糖降下薬を併用する高齢患者が81.9%を占めていた。副作用は安全性解析対象症例1262 例中169 例に201 件発現し,発現率は13.39%であった。なお,若年層を含む本薬承認時までの臨床試験成績では1262 例中236 例に副作用が発現し,発現率は18.7%と報告されている。また,ルセオグリフロジン投与開始時のeGFR で層別して本薬投与後のeGFR 推移を評価したが,有意な変化は認められなかった。有効性解析対象(1249 例)におけるHbA1c,空腹時血糖および体重の推移や変化量は,有意に低下していた。結論高齢2 型糖尿病患者を対象としたルセオグリフロジン使用実態下での特定使用成績調査からは,新たに注意喚起が必要な安全性情報は得られなかった。有効性については,本薬承認時までに得られた臨床試験データと類似したものであった。【COI】本調査は大正製薬㈱が実施した特定使用成績調査である。さらに,本論文の投稿費用は大正製薬㈱が負担し,本稿の作成には大正製薬㈱の資金提供により㈱インターサイエンス社が関与した。【謝辞】本調査にご協力を賜り,貴重なデータをご提供いただきました医師の方々ならびに関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます。
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