新しい腎スキャニング剤99mTc-Dimercaptosuccnic acidと他の腎スキャニング剤との比較

最近, 米国で開発された腎スキャニング剤99mTC-dimercaptosuccinic acid(99mTc-DMSA)と203Hg-chlormerodrin, 203Hg-salyrganを動物レベルで比較し, ついで99mTc-DMSAの臨床応用を試みた。99mTc-DMSAはラットに静注1時間後に, 投与量の45.5%が腎臓に取り込まれており, この値は経時的にやや増大した。これに対し, 203Hg-chlormerodrinは1時間, 3時間後におのおの71.1%, 86.2%が腎臓に取り込まれたが, 3時間以後はゆるやかに排出された。203Hg-salyrganはラットに静注1時間後に43.9%が腎臓に取り込まれており, 以後比較的速やかに排出された。99mTC-DMSAは人で静注1時間後に明瞭に腎臓が描画され, 以後経時的にほとんど変化なく, すぐれた腎臓イメージング薬剤であることが確認された。